墨出し工事は建設業許可においてどの業種に該当するのか?

結論として、「墨出し工事」は建設業28業種のどの業種にも該当しません

従って、墨出し工事のみを請け負う場合には、金額に関係なく、建設業許可が不要となります。

墨出しとは

建設工事の前に、建物の位置や柱の中心線など、工事の基準となる線を表示する作業です。

以前は大工、とび・土工に該当していた

平成19年までは、墨出し工事単体でも、大工工事やとび・土工・コンクリート工事として認められていました。

実際に、昔からの墨出し工事を専門とする業者が持っている許可をみると、大工工事やとび・土工・コンクリート工事となっている場合が多いです。

しかし、平成19年に、国より指針が発表されたようで(※)、それ以降、墨出し工事単体では建設業28業種に該当しません。

※インターネット上に告示や通達などの資料は見つかりませんでしたが、許可行政庁に問い合わせたところ、平成19年頃に国土交通省より指針が発表されたとのお話がありました。

墨出しの業者が建設業許可を取るには

先ほどもお伝えしたように、墨出し工事だけを施工するなら建設業許可は不要です。

一方で、墨出し工事のみを施工している業者が、何らかの事情により建設業許可が必要であったとしても、墨出し工事のみを施工している工事経験では、建設業許可における経営経験、実務経験には認められません。

しかし、以下のような状況であれば、建設業許可が取得できる可能性があります。

経営経験や実務経験、資格がある方を自社に迎え入れる

墨出し工事では、「経営業務の管理責任者」の経営経験、「専任技術者」の実務経験とは認められません。
しかし、別の業種で経営経験のある方が自社の役員にいれば、「経営業務の管理責任者」の要件はクリアできます。同様に、別の業種での実務経験者や資格所持者がいれば「専任技術者」の要件もクリアできます。
手間はかかってしまいますが、要件を満たす人を役員や従業員として迎え入れれば、建設業許可を取ることができます。

墨出し工事以外の工事も施工している

墨出しだけでなく、何か別の工事を施工している場合は、その工事が経験として認められる場合があります。

例えば、墨出しの後に型枠工事や木工事を行っていた場合は大工工事となります。

こういった別の業種の工事内容が書かれた契約書や注文書、請求書等をご用意できれば、その業種の経営経験や実務経験と認められる可能性があります。

タテル行政書士事務所
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