建設業許可と一言で言っても、「東京都知事許可(一般)大工工事業」、「国土交通大臣許可(特定)建築一式工事」など、様々な種類があります。

建設業許可の種類は、以下の3つから成ります。

  • 知事許可か大臣許可か(建設業を行う営業所の違い)
  • 一般建設業か特定建設業か(下請けに出す工事の金額の違い)
  • 建設業28業種のどれに当てはまるか(営む建設業の種類による違い)

建設業を行う営業所の違い

建設業を営む営業所の数と所在地によって、知事許可と大臣許可に分かれます。
知事許可は、1つの都道府県にのみ、建設業を営む営業所を置く場合に必要となります。
大臣許可は、2つ以上の都道府県に、建設業を営む営業所を置く場合に必要となります。

例)
東京都に1カ所営業所を置く場合 ・・・ 東京都知事許可
東京都に2カ所営業所を置く場合 ・・・ 東京都知事許可
東京都に1カ所、神奈川県に1カ所営業所を置く場合 ・・・ 大臣許可

工事を行う現場は関係ありません

知事許可であったとしても、許可を受けた地域でのみ工事を請け負えるわけではなく、全国どこの現場の工事も請けることができます。
例えば、東京都の知事許可であっても、北海道や沖縄など、全国どこの地域でも工事を請け負うことは問題ありません。

「建設業を営む営業所」の定義

営業所にて、建設業に関する見積書や契約書を作成する場合や、打合せを行う場合には、その営業所にて建設業を営んでいることになります
単に登記しているだけの本店や支店は、建設業を営む営業所とはなりません。

建設業の営業所とは

下請けに出す工事の金額の違い

元請工事を下請に出す際、その総額によって、一般建設業許可と特定建設業許可に分かれます。

元請け業者が、下請け業者へ、3000万円以上の金額の工事を発注する場合には、特定建設業許可が必要となります。建築一式工事に関しては、金額の基準が4500万円以上となります。

例)元請け業者A、下請け業者Bとして、Aは何の許可が必要か
・AからBに1000万円の大工工事を発注する場合 → 一般の大工工事の許可
・AからBに3000万円の大工工事を発注する場合 → 特定の大工工事の許可
・AからBに3000万円の建築一式工事を発注する場合→ 一般の建築一式工事の許可
・AからBに4500万円の建築一式工事を発注する場合→ 特定の建築一式工事の許可

下請業者には特定建設業許可は必要ありません

下請け業者が、更に下請け業者(孫請け)に工事を発注する場合は、一般であろうと特定であろうと、金額の制限はありません。よって、一般建設業許可でも特定建設業許可でも金額の制限無く、さらに下請に工事を発注することができます。

建設業の種類

営む建設業の内容に応じて28業種に分かれます。

建設28業種の一覧

28業種に当てはまらない工事は建設業許可は不要

28業種に当てはまらない建設業もありますが、その場合は、売上金額に関わらず建設業許可を取得する必要はありません。

建築一式工事について

建築一式工事については、お客様の認識と行政庁が定める定義が異なっている場合が多いです。

お客様の認識

大工工事、屋根工事、電気工事などの、複数種類の業種が混ざった工事

行政庁の定義

総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事

分りやすく言うと、建築確認を必要とする新築、増改築等の大規模な工事を指します。

余談ですが、建築確認を必要とするような工事は建設業許可を取っていなければ行うことが難しいため、許可を取得していない建設業者が「建築一式工事」の実績があるとして、建設業許可の申請を出すことは難しいでしょう。

タテル行政書士事務所
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