溶接工事は建設業許可においてどの業種に該当するのか?

建設業許可を取る上で、建設業は28の業種に分かれています。
そして、500万円以上の工事を請負うためには、請負工事のメインとなる内容に合わせた業種の許可が必要となります。

それでは、溶接工事がメインとする場合、許可の業種は何が必要なのでしょうか?

結論として、「溶接工事」だけでは、どの業種に該当するか判別できません。

一般的には、「とび・土工工事業」、「鋼構造物工事業」、「鉄筋工事業」のどれかしらになり、何を溶接するかが肝心となります。

簡単に分類すると、

  • とび・土工工事業
  • 鉄骨や鋼板を溶接する場合(既に加工された鉄骨等を現場で組立てることのみを請け負う場合)

  • 鋼構造物工事業
  • 鉄骨や鋼板を溶接する場合(鉄骨等の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う場合)

  • 鉄筋工事業
  • 鉄筋を溶接する場合

溶接工事をメインとしている業者が取得している建設業許可の種類を調べると、「とび・土工工事業」の許可が多いように思われます。

参考までに、「とび・土工工事業」・「鋼構造物工事業」・「鉄筋工事業」の内容と一般的な例示は以下となります。

とび・土工工事業の内容・一般的な例示

●内容
足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事。

●例示
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事、工作物解体工事、型枠を解体する工事

※鉄骨組立て工事においては、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う場合はとび・土工工事業となります。鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う場合は鋼構造物工事業の許可が必要となります。

鋼構造物工事業の内容・一般的な例示

●内容
形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事。

●例示
鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事

鉄筋工事業の内容・一般的な例示

●内容
棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事。

●例示
鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事

溶接工事の注文書等では許可は取れません

必要な許可業種が分ったとしても、その業種の許可が取れるかは別問題となります。
なぜなら、建設業許可には、許可を取得するための条件があるからです。

条件の中でも、
「経営者としての経験が5年以上あるか」、
「(該当の資格や学歴が無ければ)実務経験として10年以上あるか」
が特に難しいです。

経営者としての経験、実務経験は、許可を取得したい業種に関する経験でないといけません。
つまり、鋼構造物工事業の許可が取りたいなら、鋼構造物に関する経営者としての経験、実務経験が必要となります。

そして、経営者としての経験、実務経験があることは、鋼構造物に関する請負工事の注文書や請求書等を提出して証明することになります。

もし注文書や請求書の内容として、「溶接工事」とだけしか記載がなければ、鋼構造物に関する経験の証明資料とは認められません。

上記でお伝えしたように、
鉄骨や鋼板を溶接する(鉄骨等の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う)ことが分って、初めて鋼構造物工事として認められます。

タテル行政書士事務所
Return to Top ▲Return to Top ▲